騒音が聞こえる

パソコンの調子が悪くなりました。夕方、部屋は静かです。となりと、上の部屋の生活音が聞こえます。となりのひとが咳を2回して、上からは歩き回る音が聞こえます。上の人は、足音が響くもんだから太った人かと思ったら、ただのOLさんだったことを最近知りました。太った人から動作が雑な人に、あるいは感情の波があって動作が雑になっちゃってる人に、イメージ像が変わりました。咳をした右となりの部屋のひとも、実は動作が雑で、窓のシャッターを夜中でも明け方でも勢いよく開け閉めします。その度に、ガラガラガシャーンと騒音がして、あ、おとなりさん今日も生きていると思います。それに比べて、左となりの若夫婦は静かです。数ヶ月前に若夫婦に会ったときは、奥さんのおなかが丸く張っていてもうすぐ赤ん坊が生まれそうでした。きっと夜泣きがすごいだろうとびくびくしてましたが、いっこうに赤ん坊の気配がありません。そもそも、奥さんは住んでいるのかもわからなくなってきましたが、わたしが家に帰るころには部屋の電気が灯っていますから、きっと住んでいるはずです。それに、秋晴れの日、わたしがベランダで布団を干していたら、おとなりさんも布団を干しているのを見かけました。となりとはベランダが板で仕切られていて、体を乗り出さないと中は見えないのですが、手すりに布団をかけている手が見えたのです。日中。日中だからきっと奥さんだ、と思ったのです。赤ん坊の泣き声が聞こえてきたら、わたしはほっとして、すぐにうんざりするに違いないと思うと、びくびくします。
道端で、坂道の階段の上のほうを見上げたほっそりしたおじさんが、買い物のビニール袋を両手に持って立っていました。上はシャツで、ベージュのチノパンを穿いて、チノパンのおしりが濡れたしみがありました。近くには自転車が立てかけてあって、かごには荷物が入っていました。誰かを待っているのだろうと思いました。しばらくして振りむいた時には、おじさんはもうそこにはいませんでした。自転車は立てかけたままでした。きちんとした身なりのきちんとしてそうなおじさんがおもらしをして、坂の上を見上げていた。エコポイントの話しをしていて、突然、とがったものにぶつかる話しが割り込んできた。表面の世界に割り込みしてくるスムーズじゃないものがところどころに窪んであるので、自分が妙にしっかりしているように感じられる。