ノック式の赤いボールペンは、会社の備品で人気がない。その中でもわたしが使っているものは、肝心のペン先を引っ込めるための引っ掛け部分が折れていて、わたしはいちいち爪でノックを押し込む。結構赤いボールペンは使うもので、近頃はインクがかすれがち…

十年以上前に新宿駅で友人とした会話と同じ会話を、今日新宿のファーストキッチンの地下一階で聞いてしまった。あたしは、写真のプリントの仕上がりを待つために、わりと暗めの照明で客の頭とタバコの煙ばかりが浮かんで見える店内でアイスコーヒーを飲んで…

そろそろ苗字が変わるかもしれないと思って、新しい名前をつぶやいてみる。今日は、たまにしか開いていない古本屋が開いていた。「仕事と仲良く生きたい人のための仕事と生活ライブラリー」という本を３８０円で買った。本の裏表紙には３８２円と書いてあっ…

電車の中で、女の子の三つ子を見た。おそろいの濃いピンクのジャンパー、ピンクの肩掛けバック、茶色のスカート、グレーのタイツを穿いている。扉のマドから並んで外を覗き込んでいた。わたしからは、三つ子の後姿しか見えない。駅に着いて、三人が振り向い…

東京の奥地の温泉に行った。両親の車に乗って、ダム湖を越えて、少しばかり山道をを上って、川のほとりのキャンプ場を過ぎて、その温泉施設はある。旅館の温泉とかではなくて、どっちかというとスパに似ていてスパにしては牧歌的で、近頃は客も少なくなって…

金柑のシロップ漬けを食べると、えぐい味がする。最初はあまずっぱいのだけれど、いい気になって続けてつまむと、最後にえぐみが残る。シロップ漬けの一方で、輪切りに砂糖を振りかけて冷凍庫で凍らせたほうもあって、それはえぐみが感じられない。それで、…

かしこい人が好きだわ、とか言っておいて、かしこくないのは私だったというオチ、が先日あって、大変落ち込んでいる。落ち込んでいるので、ブログもかけず、グズグズ過ごしている。毎回、恋愛に失敗する人は、なぜ何度も同じ失敗を繰り返すのかと思ってたけ…

初めて行ったクリーニング屋で、登録するのに名前を聞かれた。あたしは、名前を答えた。帰り道、突然、わたしはわたしであることを意識した。それは、幸せなことだった。

家の植木がかつては青々と全盛を極めていたのに、一つ一つと枯れていき、残りの二つのうちのひとつはまったく動じることなく青々と、もうひとつは虫の息です。手のうちようがないので、これから毎日（植木に）話しかけてやってほしいとＯさんに頼んだら、さ…

昨日は、実にブルーでありました。起きたら、口蓋にポチッとしたデキモノができていたからです。うどんを食べても、紅茶を飲んでも、デキモノが気になります。それと、商店街の豆腐屋のおばちゃんにお金を手渡そうとしたら、ここにおくようにと受け皿を指さ…

3月3日の夜中3時ごろ、いい加減眠気もピークに達したころになってお風呂に入りました。その際、物々交換でもらったお風呂用ラジオを試してみることにしました。丸い形のラジオの頭のアンテナを伸ばしてチューニングするんだけれど、ザーザーとしか聞こえませ…

昼間起きてきて、セックスアンドザシティを見ました。主人公が、彼氏のビッグを愛するがゆえに、私とあなたではなく『ＷＥ』になりたいと哀願するのだけれど、ビッグは僕ときみでいたいと思っていて「性格なんだ」と首を振ります。結局、主人公は限界だと感…

わたしが女子高生の頃は、肩より長い髪は結ばなくてはいけなかったのに、歩道を歩く女子校生たちは肩より長い髪を下ろしている。紺色の制服に、さらさらの黒髪が、顔の横で揺れているのを、自動車教習所の送迎バスの中から眺めている。格別、女子高生に思い…

Ｏさんの口はいつでも少し開いていて、小さい前歯が二本少しばかり見えている。決意を見せるといって、口をぎゅうっと閉じて一文字にしてみせるので、おかしくて笑ってしまう。Ｏさんのすばらしいところは継続力で、継続力と言うより止めるタイミングが掴め…

先日、ＭＯＴＯＫＯさんのワークショップに手伝いに行ってそのまま打ち上げとなった。参加者の一人に、ＡＶビデオ（ＤＶＤ）のパッケージの写真を撮っている人がいて、斜め前の席になった。そういえば、アオカンという言葉を今日はじめて知った。吉次さんが…

わたしは昔からプレッシャーに弱かったのです。小学校のとき、競技会で高飛びを選択して、練習を始めた当初みんなよりひとつ抜けて高いバーを飛べてました。それを見た先生がわたしを誉めて、他の生徒にも見習うように勧めました。そしたら困ったことに、人…

今日は、結婚式に行ってきました。教会での結婚式で、白人の神父が「すべての喜びは愛です。ラーヴ。アーメン。」と言っていました。ラーヴ、アーメン。初めての結婚式参加ですので、こんなに早い時間にお開きとは知らなかったです。2時半には終わって、こん…

今日は、美術館に行きました。だらだらしていたら出かけるのが遅れてしまい、閉館40分前にぎりぎり入場しました。美術館の中はうっすら暗がりで、閉館前だから電気を消してしまったのかと思ったけれど、壁には映像が上から下へ流れていたので、このために薄…

車海老が飛び出していた。スーパーに買い物に行ったら、おばさんが一人魚売り場でおののいているので、何事かと思ってそちらを見たら、車海老が一匹、弱弱しく体を震わせている。よく見たら、近くに並んでいる水色のトレーのラップが小さく破れていて、おそ…

近所のドラッグストアの店先に、ダイエット食品が積み上げられていて、厚着をした汚いなりの小柄なおじちゃんがごそごそやっていたのを目の端で感じていたのだけれど、そのおじちゃんがダイエット食品を持ち逃げしたような気がした。あれ、と思って、しばら…

隣の部屋の住民が、夜中だというのにドスドス重低音を響かせて大音量で音楽を聴いている。この前、チラッと見かけたところ、ギャル男だった。ギャル男が悪いわけではないが、いかにもギャル男が聴きそうな曲だと思う。上の階の住人は、夜中だというのにドス…

今日は仕事が早上がりでした。帰ろうとしたら、雨がけっこう降っていて、傘がなかったから駆け足で駅まで行きました。お客さんが、今日は雪が降るよと言っていたけれど雨じゃない。途中寄った古本屋で買った対談集を電車で読みふけっていたら、「私、子供の…

おそらくは春に咲くであろうヒヤシンスの花が咲いてしまった。すでに植えられた球根だったヒヤシンスを買って、部屋に置いておいたら、暖房で暖かかったのかつぼみが大きくなってしまったので急いで玄関に非難させて置いたのに、先日、ついにピンクの花を咲…

小さな虫を五匹殺した。先日買ってきた、白い花が咲く植木鉢から発生する小さな虫が、目に余る。人の目の前をプンプン飛び回るので殺してしまった。叩かれた虫の死骸は、ほこりのように小さなゴミになってしまう。小さすぎて罪悪感があまりわかない。 今日は…

あたしは音楽に疎い。疎いと話についていけない。これは改善せねばならない、ということで、今さっきレンタル屋に行って「ゆらゆら帝国」を借りました。片方しか聴こえてこないCDウォークマンにセットして、聴きながらブログを書いているところ。漫画喫茶ま…

年末の紅白を見ていたら和田アキ子氏が歌を歌っていた。（ワダアキコの正式な字ずらを忘れてしまった。）うちの母は、和田アキ子氏に似ていると言われ、大変嫌な気がしたものだ、と私に話してくれたことを思い出して、Oさんにそれを話したところ、いや和田ア…

休日、お昼ご飯を食べた後は必ずといっていいほど眠気に襲われるので、そのまま横になり座布団に頭をのせてタオルケットをかけて、思わず眠り込んでしまう。起きると５時を過ぎているので今日もまた終わってしまう。年も若くないのに大変無駄な時間の使い方…

些細なことが原因ではあるけれど、それ以外の何かが胸を圧迫している日というのがあるものです。部屋の畳につっぷして、声をあげて泣いたそぶりをしてみても涙はささやかにしか流れないし、これはなんであろうかと探ってみても答えは見つからない。そんな時…

あたしの顔が、２回ぼやけた。夜の電車の座席に座って目の前を見ると、夜の暗さで鏡の様になった窓ガラスに自分の姿が映りこむ。映りこんだ私の顔だけが消えている。ちょうど頭の高さの辺りに、恐らくおじちゃんの頭皮の油かポマードが擦り付けられていて（…

今日もネットカフェでブログを書いています。Oさんは、毎回同じ漫画を読んでいます。まだ、読み終わらないかららしいけれど、何巻まで読んだか忘れて、また同じ巻をかりて来て、ちぇ読んだじゃーんとか言ってタバコを吸っている。それと、オニオンスープを飲…